- 私の1日のカロリーってどれくらい?
- ダイエットするには、何kcalに抑えればいいの?
- 自分に合ったカロリー量が知りたい!
そんな疑問をお持ちではありませんか?
ダイエットを始めようと思ったとき、自分にとって1日に必要なカロリー量や、どれくらい減らせば痩せるのかはとても気になるポイントです。
例えば、お菓子に「300kcal」と表示されていても、それが自分にとって多いのか、少ないのか判断が難しいこともありますよね。
でも、自分の適正なカロリー量を知っていれば、ダイエットや健康管理の効率が大きく変わります。
そこでこの記事では、管理栄養士の視点から、1日に必要なカロリーの計算方法、目標設定の仕方について、わかりやすく解説します。

管理栄養士 まこ
- 30代の管理栄養士
- 急性期病院3年・給食委託会社8年
- 2つの病院とクリニックで栄養指導経験
- 1日平均4万食提供の委託給食の献立作成を担当
- 関西・関東の病院を中心とした給食提供実績
ダイエットや健康管理をしっかり続けたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
1日の必要カロリーの計算方法

自分に必要な1日のカロリーを計算するのは、実はそれほど難しくありません。
ポイントは、▼以下の2つの情報を把握することです。
- 現在の体重
- 身体活動レベル
この2つが分かれば、計算式で簡単に必要カロリーを求めることができます。

たとえば私の場合、以下のような計算になります。
体重 45kg × 38.3(身体活動レベルに基づく数値)= 約1,724kcal
この計算から、私が1日に必要なカロリーは約1,700kcalということになります。
このカロリー量は、現在の体重を維持するために必要なカロリーです。
ダイエットしたい場合はこれより少なめに、体重を増やしたい場合はこれより多めにカロリーを摂取する必要があります。
身体活動レベルとは?


必要カロリーを出すためには、体重とともに「身体活動レベル」の把握が大切です。
たとえば、運動をほとんどしないデスクワーク中心の人と、肉体労働や運動習慣がある人では、当然ながら1日に必要なエネルギー量は異なります。
身体活動レベルは▼以下の3つに分けられています。
身体活動レベル | 内容 |
低い | 1日の大半が座って過ごすなど、静的な活動が中心の人 |
普通 | デスクワーク中心でも、通勤や買い物、家事、軽い運動などを日常的に行っている人 |
高い | 立ち仕事や体を動かす仕事に従事している、または運動習慣がある人 |
自分がどのレベルになるかをあてはめてみてください。



ちなみに、私はデスクワーク中心ですが、日常的に家事や買い物もするので、「普通」レベルにあたります。
1日のカロリーを実際に計算してみよう


身体活動レベルが分かったら、実際に計算して1日のカロリーを出します。
▼以下の表から、自分が当てはまる数値を見つけてください。年齢・性別・身体活動レベル別のエネルギー係数(体重1kgあたりのkcal)を示したものです。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
18~29歳 | 35.6 | 41.5 | 47.4 | 33.2 | 38.7 | 44.2 |
30~49歳 | 33.8 | 39.4 | 45.0 | 32.9 | 38.3 | 43.8 |
50~64歳 | 32.7 | 38.2 | 43.6 | 31.1 | 36.2 | 41.4 |
65~74歳 | 32.4 | 36.7 | 41.0 | 31.1 | 35.2 | 39.3 |
75歳以上 | 30.1 | 36.6 | – | 29.0 | 35.2 | – |
この数値に体重を掛けると1日のカロリーが出てきます。
体重60kg × 39.4=2364kcal
ここで出た数値は、今の体重を維持するカロリーということになります。
ただし、この数値は絶対ではありません。消費カロリーには個人差がかなりあるので、参考程度にしてください。また、本記事の内容は、あくまで健康な方を対象とした一般的なエネルギー計算の方法を紹介するものです。疾患をお持ちの方、通院・服薬中の方は、医療機関にて個別の栄養指導を受けるようお願いいたします。
カロリーの目標設定の仕方





ダイエットしたいけど、1日にどれくらいカロリーを摂ればいいの?
そう感じる方もいますよね。
ここでは、目標体重に近づくためのカロリー設定方法についてわかりやすく解説します。
ここで必要なのは、▼以下の2つ。
- 目標体重
- 身体活動レベル
先ほど計算したときは、現在の体重を掛けましたよね。それを目標体重にして計算すれば、カロリーが出てきます。
目標体重の設定方法
ダイエットするときに、「〇kgまで痩せよう」と目標を立てることが多いと思いますが、この体重には注意が必要です。
無理な体重設定は、健康を損なうリスクがあります。特に若年女性では、極端な低体重が骨密度の低下や将来の骨粗しょう症のリスクにつながるとされています。
そのため、目標体重は適正範囲内で設定することが大切です。
健康的な目標体重を決めるには、「BMI(体格指数)」を使います。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、年齢ごとに望ましいBMIの範囲が示されています。
年齢 | 目標とするBMI |
18~49歳 | 18.5~24.9 |
50~64歳 | 20.0~24.9 |
65~74歳 | 21.5~24.9 |
75歳以上 | 21.5~24.9 |
BMIの計算方法は以下の通りです。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
例:50kg、160cmの人の場合
50 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 19.5
BMIから目標体重を計算するには、次の式を使います。
目標体重 = 目標BMI × 身長(m)²
例:身長160cmで、BMI19を目指す場合
19 × 1.6 × 1.6 = 約48.6kg
たとえば、25歳の女性なら「BMI18.5〜24.9」が適正とされているので、目標体重はBMI18.5を下回らないように設定しましょう。



理想の体型を目指すことは大切ですが、健康を第一に考えた現実的なゴール設定が何よりも大切です。
理論上の体重の減り方





1日どのくらいカロリーを減らせば、どれだけ体重が減るの?
これはダイエット中の多くの人が気になるポイントですよね。
たとえば、体重50kg・1日2000kcalを摂っている人が、1日あたり200kcal(10%)カロリーを減らすと、約3.5kgの体重減少が見込まれるという計算になります。
減量にかかる期間
では、その3.5kgの減量には、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?
この例の場合は、理論上は約4ヵ月(123日)ほどかかると考えられます。
つまり、3.5kg(=3500g)の脂肪を落とすには、
3500g × 7kcal = 24,500kcalのエネルギーを減らす必要があります。
これを1日200kcalずつ削減した場合、
24,500kcal ÷ 200kcal = 約123日という計算になるわけです。
ただし、実際はここまで単純ではありません。この計算はあくまで理論上の目安であり、現実には体重が減ることで基礎代謝や消費エネルギーも徐々に低下していきます。
つまり、同じ200kcalのカロリー削減でも、時間が経つにつれて減量の効果は少しずつ緩やかになるのです。
実際にダイエットを行う際は、体重や体調の変化を見ながら、その都度カロリー設定を見直すことが大切です。



個人差も大きいため、「計算通りにいかない」ことを前提に、柔軟に対応していきましょう。
まとめ:まずは自分の「必要カロリー」を知ろう


この記事では、1日に必要なカロリーの計算方法や、ダイエット・健康管理に役立つカロリー設定の考え方を解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 1日の必要カロリーは「体重 × 身体活動レベルに応じたエネルギー係数」で算出できる
- 目標体重は、年齢に応じた適正BMIの範囲内で設定するのが基本
- 摂取カロリーを10%減らすと、理論上は体重が約7%減少する
- 体脂肪を1g減らすには、約7kcalのエネルギー赤字が必要
- 消費カロリーや体の反応には個人差があるため、定期的な見直しが重要
減量を始めるとき、「とりあえず食事量を減らす」ではなく、まずは自分の現在のエネルギー必要量と、目標に合った摂取カロリーを把握することが大切です。
これだけでも、ダイエットの効率や健康維持に大きな違いが出てきます。
ぜひこの機会に、自分の「エネルギーバランス」を知るところから始めてみてください。



年齢ごとの適正BMIも参考にしながら、自分の体と目的に合った食生活を意識していきましょう。
参考文献(2025年7月3日参照)