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【管理栄養士が解説】豆の栄養と効果!おすすめの種類&簡単な取り入れ方

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  • 豆って体にいいの?
  • どんな栄養があるの?
  • おすすめの食べ方を知りたい!

そんな疑問を持っていませんか?

豆は体に良い」とよく聞くけれど、実際にどんな栄養が含まれているのか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

実は豆には、食物繊維・たんぱく質・ビタミン類・ミネラルなど、私たちの健康に欠かせない栄養素がバランスよく含まれています。

ただし、豆の種類や食べ方によっては、カロリー過多や栄養の偏りに注意が必要な場合もあります。

そこで本記事では、管理栄養士の視点から「豆の栄養」「おすすめの種類」「上手な取り入れ方」について分かりやすく解説していきます。

この記事を書いた人

管理栄養士 まこ

  • 30代の管理栄養士
  • 急性期病院3年・給食委託会社8年
  • 2つの病院とクリニックで栄養指導経験
  • 1日平均4万食提供の委託給食の献立作成を担当
  • 関西・関東の病院を中心とした給食提供実績

この記事を読めば、きっと「もっと豆を食事に取り入れてみよう!」と思えるはずです。

これまで豆をあまり意識してこなかった方も、ぜひ最後までご覧ください!

目次

豆に含まれる栄養とその健康効果

豆は、食物繊維、たんぱく質、ミネラル、ビタミンを豊富に含む優れた食品です。

特に注目したい栄養素は以下の通り。

  • 食物繊維
  • たんぱく質
  • ビタミンB群

食物繊維

豆には、食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維は「第6の栄養素」とも呼ばれ、以下のようなさまざまな健康効果があります。

  • 腸内環境を整える
  • 血糖値の急上昇を防ぐ
  • コレステロール値を下げる

食物繊維は大きく2種類に分けられます。

水溶性食物繊維:腸内でゲル状になり、糖の吸収をゆるやかにする、コレステロールの排出を助ける働きがあります。

不溶性食物繊維腸を刺激して便通を促進し、老廃物の排出をサポートします。

豆に含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維が中心です。

また、豆はゆでることで、食物繊維の量が増加する変わった特徴があります。

豆に多く含まれるでんぷんの一部が、加熱によって「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」に変化するためです。レジスタントスターチは、食物繊維と同じような働きをする成分で、腸内環境を整えるのに役立ちます。

以下は、実際の栄養価の変化を示したものです。

100g当たり乾燥いんげん豆ゆでた いんげん豆
エネルギー(kcal)280127(0.45倍)
食物繊維(g)※19.613.6(0.7倍)
引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省

※食物繊維はプロスキー変法による値です。

乾燥豆をゆでると水分を含むため、100gあたりの栄養価は全体的に減るのが一般的です。エネルギー量は約半分以下になりますが、食物繊維はそれほど減らず、相対的に増えていることがわかります。

管理栄養士 まこ

多くの食品では加熱によって栄養素が減ることが多いです。ゆでることで食物繊維が実質的に増えるのは驚きのポイントです。

たんぱく質

豆には、植物性食品の中でもたんぱく質が豊富に含まれています。

たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪など、私たちの体のあらゆる組織をつくる重要な栄養素で、健康な体づくりには欠かせません。

中でも大豆のたんぱく質は、植物性でありながら必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、植物性食品の中では特に質が高いとされています。

ビタミンB群

豆にはビタミンB群も含まれています。

ビタミンB群は、エネルギー代謝を助ける働きがあり、体内で炭水化物・脂質・たんぱく質を効率よくエネルギーに変えるために欠かせない栄養素です。

主に含まれているのは以下のようなビタミンです。

  • ビタミンB1:糖質をエネルギーに変える。疲労回復にも関与
  • ビタミンB2:脂質・糖質・たんぱく質の代謝を助ける。皮膚や粘膜の健康維持
  • ビタミンB6:たんぱく質の代謝をサポートし、神経伝達物質の合成にも関わる。

ビタミンB群は水溶性のため、体に蓄積されにくく、不足しやすい栄養素でもあります。日々の食事で継続的に摂ることが大切です。

豆には、鉄分が多く含まれているものがあります。

鉄は、赤血球をつくるために必要な栄養素です。特に女性は、月経や妊娠による影響で鉄が不足しやすいため、意識して摂取することがすすめられます。

豆に含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれる植物性です。動物性食品の「ヘム鉄」と比べると吸収率がやや低いのが特徴です。

ビタミンCたんぱく質と一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。

その他

豆には、以下のようなその他の栄養素も含まれています。

ポリフェノール:抗酸化作用、美容・アンチエイジング

ルシウム:骨や歯の健康に欠かせない

リノール酸:植物性の不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らす作用

豆にはさまざまな種類があり、それぞれに含まれる栄養素や期待できる効果が異なります。

豆の種類とそれぞれの栄養価と特徴

豆には、炭水化物が多いものと、脂質が多いものの2つのタイプがあります。

ここでは、それぞれの栄養的な特徴と違いを解説します。

炭水化物が多い豆

豆類の中でも、炭水化物を多く含む豆には以下のような種類があります。

  • あずき
  • いんげんまめ
  • えんどう
  • そらまめ
  • ひよこ豆
  • 緑豆
  • レンズ豆

それぞれの栄養価(すべて「ゆで」の状態)は以下の通り。

100g当たりあずきいんげんまめえんどうそらまめ
エネルギー(kcal)124127129103
たんぱく質(g)7.47.37.47.8
脂質(g)0.30.70.60.1
炭水化物(g)18.315.819.715.7
食物繊維(g)8.713.67.74.0
鉄(mg)1.62.02.22.1
ビタミンB1(mg)0.150.220.270.22
塩分(g)0000
100g当たりひよこ豆緑豆レンズ豆
エネルギー(kcal)149125149
たんぱく質(g)7.98.29.5
脂質(g)2.10.40.5
炭水化物(g)18.219.521.2
食物繊維(g)11.65.29.4
鉄(mg)1.22.24.3
ビタミンB1(mg)0.160.190.20
塩分(g)000

まめの栄養価は比較的どれも似ていますが、食物繊維、鉄などに特徴があります。

以下に目的別のおすすめ豆をご紹介。

食物繊維をしっかり摂りたい方いんげん豆(13.6g)、ひよこ豆(11.6g)
 特に便通や腸内環境が気になる方に◎

鉄分を多く摂りたい方レンズ豆(4.3mg)
 他の豆の約2倍含まれており、鉄分不足が気になる方にぴったり

カロリーを抑えたい方そらまめ(103kcal)
 豆類の中では比較的低カロリーで、ヘルシー志向の方に最適

しっかりエネルギーを摂りたい方 ひよこ豆・レンズ豆(ともに149kcal)
 エネルギー補給に適しています

脂質が多い豆

脂質を多く含む豆には、大豆落花生があります。どちらも栄養価が高く、健康効果も期待できる食品です。

以下は、それぞれの「ゆで」状態での栄養価です。

100g当たり大豆落花生
エネルギー(kcal)163298
たんぱく質(g)14.111.1
脂質(g)9.223.2
炭水化物(g)1.59.2
食物繊維(g)8.54.2
鉄(mg)2.20.9
ビタミンB1(mg)0.170.30
塩分(g)00

大豆の栄養

大豆は、たんぱく質が非常に豊富で、植物性たんぱく源として代表的な食品です。

脂質も他の豆と比べてやや多めですが、バランスの良い栄養構成となっており、食物繊維や鉄分もしっかり含まれています。

さらに、大豆には次のような機能性成分も豊富です。

  • イソフラボン:ホルモンバランスを整える
  • サポニン:抗酸化作用
  • レシチン:脳の働きをサポート

健康志向の方には、毎日の食事に積極的に取り入れたい豆のひとつです。

詳しくはこちら【大豆の栄養を徹底解説

落花生の栄養

落花生はマメ科の植物ですが、栄養的にはナッツ(種実類)に近い食品です。

特に脂質の量が多く(23.2g)、豆類の中でも群を抜いています。

含まれる脂質は以下のような体に良い不飽和脂肪酸が中心です。

  • オレイン酸:悪玉コレステロールを減らす
  • リノール酸:血管の健康維持に役立つ

適量を摂れば、血中脂質の改善や生活習慣病予防にもつながると言われています。

ナッツについて詳しくはこちら【種実類の栄養を徹底解説

豆の1日の適量と注意点

豆類の1日の適量は明確に定められているわけではありません。

1日あたり30~50g程度を目安にするとよいでしょう。

これは、小鉢1杯分の煮豆を食事に取り入れるイメージです。

特定の豆に偏らず、さまざまな種類の豆を日常的に取り入れることがおすすめ。

たとえば、大豆は栄養価が高く優れた食品ですが、摂りすぎるとイソフラボンの過剰摂取につながる可能性もあります。ただし、通常の食生活で過度に心配する必要はありません。詳しくはこちら

管理栄養士 まこ

豆類は食物繊維が豊富なため、よく噛んで食べましょう。

毎日の食事に豆を取り入れる簡単な方法

「豆」と聞くと、煮豆のイメージが強く、「なんだか地味」「料理のレパートリーが少ない」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、豆は意外にもさまざまな料理にアレンジできて、手軽に栄養をプラスできる優秀な食材です。

ここでは、毎日の食事に無理なく豆を取り入れる簡単な方法をご紹介します。

定番の煮物に

甘辛く煮た豆は、和食の副菜として定番。作り置きにも向いていて、冷蔵庫にあると便利です。

大豆、小豆、黒豆などお好みの豆を使って、家庭の味を楽しめます。

管理栄養士 まこ

大豆とひじきの煮物などは定番ですよね。

サラダにトッピング

茹でたひよこ豆やミックスビーンズは、サラダにトッピングするだけで食感と栄養価がアップ。

彩りも良くなり、ボリューム感も出るので満足度の高い一皿になります。

管理栄養士 まこ

胡麻ドレッシングが合いますよ!病院食の献立にも入れていました。

スープに入れる

スープや味噌汁に豆を加えると、たんぱく質や食物繊維が手軽に摂れます。

レンズ豆や白いんげん豆などは、火の通りが早く、煮込み料理やミネストローネにもぴったりです。

管理栄養士 まこ

スープに入れると、豆が苦手な人でも食べやすくなります♪

おやつに取り入れる

甘く煮た小豆を使った和菓子や、ローストした大豆を使った豆菓子など、豆はおやつにも活用できます。

手作りのグラノーラや蒸しパンに加えるのもおすすめです。

管理栄養士 まこ

どれも手軽にできるものばかりです。ぜひ試してみてください。

まとめ:豆の栄養を毎日の健康に活かそう

この記事では、豆の栄養について解説しました。

要点をまとめると以下の通り。

  • 豆には食物繊維、たんぱく質、ミネラル、ビタミンが豊富
  • 炭水化物が多い豆と脂質が多い豆がある
  • 豆の脂質には良質な成分が含まれる
  • 1種類に偏らず、いろんな豆を取り入れる

豆は「体に良い食材」として知られていますが、意識しないと日々の食事に取り入れる機会は意外と少ないものです。

特に女性にとっても嬉しい栄養素が詰まった食材。

管理栄養士 まこ

毎日の食事に無理なく取り入れて、健康づくりに役立てましょう。

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栄養価はすべて日本食品標準成分表2020年版(八訂)から引用しています。

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この記事を書いた人

✔ 急性期病院 3年勤務
✔ 給食委託会社 8年勤務

巷で広がる食に関する情報を、管理栄養士の視点から解説します。

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