- 最近、野菜をあまり食べていない…。
- 野菜不足が気になるけど、
- 何を食べたらいい?
そんなふうに感じていませんか?
健康的な食生活に野菜は欠かせないことは、誰もが知っているはず。でも、忙しかったり、料理が面倒だったりで、なかなか毎日しっかり野菜を摂るのは難しいのが現実ですよね。
野菜を食べていないからといって、すぐに体調を崩すわけではありません。しかし、野菜不足が続くと、気づかないうちに栄養バランスが崩れ、体にじわじわと影響を与えてしまう可能性があります。
だからこそ、野菜不足は早めの対策が大切です。
そこでこの記事では、管理栄養士の視点から、野菜不足を感じたときに何を食べればいいのか、どんな点に注意すべきかを、具体的な食品とともにわかりやすく解説します。

管理栄養士 こま
- 30代の管理栄養士
- 急性期病院3年・給食委託会社8年
- 病院(2施設)とクリニックで栄養指導経験
- 1日平均4万食提供の委託給食の献立作成を担当
- 関西・関東の病院を中心とした給食提供実績
「最近、野菜が足りてないかも…」と感じている方は、ぜひ最後まで見てください。
野菜不足になるとどうなる?

野菜不足が続くと、体にどのような影響があるかご存知でしょうか?
実は、野菜を十分に摂らないと、以下のような不調が現れる可能性があります。
- 便秘や肌荒れ
- 免疫力の低下
- 疲れやすい、集中力が落ちる
- 高血圧や糖尿病など、生活習慣病のリスクが高まる
これは、野菜に豊富に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質といった栄養素が、私たちの体調を整えるために欠かせないからです。

栄養素が不足すると、気づかないうちに体調を崩しやすくなってしまいます。
1日の野菜の必要量は?


では、野菜不足とは具体的にどれくらいを指すかご存知でしょうか?
これを1日3食に分けると、1食あたりの野菜は約120gが目安です。野菜120gの目安は以下の量になります。
- 生野菜なら両手にすっぽり収まるくらいの量(例:サラダ一皿分)
- 加熱野菜なら片手にのるくらいの量(例:おひたしや炒め物など)
この1食分の野菜を1日に3回しっかり摂ることで、野菜の目標量を満たせます。
これに満たない場合は、野菜不足と考えられます。
実は日本人のほとんどが野菜不足


「1食あたり120g×3食」の野菜の目安を聞いて、「自分は野菜不足かも…」と感じた方は多いのではないでしょうか。
令和5年の「国民健康・栄養調査」によると、野菜摂取量は1日平均約256gで、推奨されている350gには届いていません。実に約77%もの人が、野菜の目標量を満たせていないのです。
これは健康面で大きな課題であり、早めの改善が必要と言えます。
野菜不足のとき、何を食べればいい?


では、野菜不足を感じたとき、何を食べればいいのでしょうか?



「これを食べていれば大丈夫」という代わりになる食品を知りたい
こう思っている方も多いと思います。
しかし、残念ながら野菜不足は野菜そのものを摂ることでしか補えません。なぜなら、野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素は、他の食品では十分に代替できないからです。
ここでは、忙しい毎日でも手軽に野菜を取り入れやすい方法をご紹介します。
- 調理不要の野菜を取り入れる
- カット野菜を上手に活用
- 冷凍野菜を使う
- ミールキットを利用する
- 宅配弁当を利用する
調理不要の野菜を取り入れる


「野菜を食べなきゃ」と思っても、実際にはなかなか続かないもの。その大きな理由の一つが、「調理が面倒くさい」ということではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、“調理不要”の野菜を取り入れることです。
たとえば、以下のような野菜は洗うだけ、または手でちぎるだけで食べられます。
- トマト
- きゅうり
- レタス
- ベビーリーフ
- サラダほうれん草
- サラダ菜
- サンチュ
包丁を使わずにそのまま食べられるので、手間がかからず、手軽に野菜を摂ることができます。また、これらは生で食べられるため、加熱によって失われやすいビタミンや酵素もそのまま摂取できるというメリットも。



まずは、こうした手軽な野菜から日常に取り入れてみると、無理なく野菜習慣を続けやすくなります。
カット野菜を上手に活用


最近では、スーパーやコンビニでも手軽に手に入るようになった「カット野菜」。これもとても便利な選択肢です。
袋から出すだけでそのまま食べられるものも多く、洗ったり切ったりする手間がほとんどありません。お皿に盛りつけて、お気に入りのドレッシングをかけるだけで、手軽に野菜を取り入れることができます。
ただし、カット野菜の中にはキャベツやレタスなど、淡色野菜が中心のものも多く、栄養のバランスが偏りがち。できれば、水菜・大根・人参など、複数の野菜が入ったものを選ぶのがおすすめです。
さらに、余裕があればミニトマトやアボカド、ゆで卵などをプラスしてみるのも◎。彩りも栄養価もアップし、満足感のある一品になります。
冷凍野菜を使う


野菜不足を解消するうえで、冷凍野菜の活用もとてもおすすめです。
生の野菜は傷みやすく、長期間保存が難しいため、「せっかく買ったのに食べきれずに捨ててしまった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。特に忙しい日が続くと、予定が変わって調理のタイミングを逃してしまいがちです。
そんなときこそ、冷凍野菜が便利。必要なときに必要な分だけ使えて、無駄が出にくく、ストックしておけるのが大きな魅力です。
冷凍野菜は以下のようなものがあります。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- ミックスベジタブル(コーン・にんじん・グリーンピースなど)
- かぼちゃ(カット済み)
- カリフラワー
- 枝豆(むき枝豆)
- 揚げなす(冷凍済みのもの)
- 刻み玉ねぎ
- カットパプリカ
- スライスズッキーニ
- 野菜ミックス(スープや炒め物用)
- さつまいもスティック
冷凍食品と聞くと、「添加物が多そう」「栄養がなさそう」といったマイナスイメージを持っている方もいるかもしれません。
ですが、冷凍野菜は基本的に添加物不使用。旬の時期に収穫した野菜を、栄養価が高い状態のまま急速冷凍しているため、むしろ季節外れの生野菜よりも栄養価が高いこともあります。
たとえば、以下は「夏のほうれん草(旬ではない時期)」と「冷凍ほうれん草」の栄養成分の比較です。
100g当たり | 夏のほうれん草 | 冷凍ほうれん草 |
カルシウム(mg) | 49 | 87 |
ビタミンA(μg) | 350 | 390 |
ビタミンK(μg) | 270 | 300 |
このように、冷凍野菜のほうが栄養価が高い場合もあるのです。
ただし、冷凍野菜は食感が生野菜に比べてやや劣ることもあります。調理法によっては風味や歯ごたえに違和感を感じることも。
おすすめの使い方は、以下のような取り入れ方です。
- スープや味噌汁の具にする
- 炒め物の具材として使う
- パスタやグラタンなどの温かい料理に混ぜ込む



特にスープなどは、手軽に野菜をプラスできおすすめ。
ミールキットを利用する


意外とおすすめなのが、ミールキットを使って野菜を摂る方法です。実際に私も使ってみて「これはいいな!」となりました。
ミールキットとは、必要な食材とレシピがセットになった料理キットで、最近では多くの食品メーカーが、1食分の主菜や副菜をまるごとカバーするタイプを展開しています。
特に魅力的なのは、1食あたりの野菜量や栄養バランスがしっかり考えられている点です。たとえば、120g以上の野菜が使われていたり、緑黄色野菜が含まれていたり。自分で献立を考えなくても、栄養バランスのとれた食事が簡単に作れるようになっています。
毎日の食事で栄養や野菜の種類まで気を配るのはなかなか大変ですが、ミールキットなら届いた材料を調理するだけ。



「野菜はしっかり摂りたいけど、考えるのが面倒」という方には、手軽さと健康を両立できる便利な選択肢です。
☟ミールキットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で実際に使った様子を確認できます。




宅配弁当を利用する
調理をまったくしたくない、いつも買ったものばかり食べてしまうという方には、宅配弁当の利用がおすすめです。現在は多くの食品メーカーが、主菜と副菜がセットになった冷凍の宅配弁当を提供しています。
これを利用すれば、手軽に野菜も一緒に摂ることができます。管理栄養士が監修している商品も多いため、スーパーのお惣菜やコンビニ弁当よりも健康的です。
さらに、電子レンジで短時間に温められるものがほとんどなので、疲れて帰った日でも簡単に栄養バランスの良い食事をとることができます。
野菜を食べるときの注意点


野菜を食べているつもりでも、選び方を間違えると十分な栄養が摂れないことがあります。
そこで、野菜を食べるときに気をつけたいポイントをご紹介します。
- サラダという名前にだまされない
- 野菜ジュースや青汁に頼りすぎない
- 淡色野菜だけではなく緑黄色野菜も
サラダという名前にだまされない
まず気をつけてほしいのは、「サラダ」という名前に惑わされないことです。サラダと聞くと野菜をイメージする人が多いですが、スーパーやコンビニで売られているサラダの中には、実は野菜があまり入っていないものもあります。
例えば、パスタサラダやマカロニサラダ。名前は「サラダ」でも、野菜はごく少量で、炭水化物が中心です。野菜不足の人がこれらを食べても、十分な野菜の補給にはなりません。食べてはいけないわけではありませんが、野菜の栄養はあまり摂れないことを知っておきましょう。
また、ポテトサラダにも注意が必要です。じゃがいもが主な材料なのでパスタサラダよりはマシですが、じゃがいもは芋類に分類される炭水化物の多い食材です。
芋類にはビタミンCや食物繊維も含まれていますが、毎回ポテトサラダばかり食べると野菜不足の解消にはなりにくいので気をつけましょう。
野菜ジュースや青汁に頼りすぎない
野菜不足を感じると、手軽に摂れる野菜ジュースや青汁に頼りがちですが、これに過度に依存するのは避けましょう。確かに野菜ジュースや青汁にはビタミンなどの栄養が含まれていますが、野菜そのものに含まれる食物繊維は大幅に減ってしまうことが多いです。
食物繊維は咀嚼を促し満腹感を高めたり、血糖値の急上昇を抑えたりと、健康に欠かせない役割を持っています。特に日本人は食物繊維が不足しがちなので、野菜ジュースや青汁だけに頼るのはよくありません。
中には食物繊維を強化した商品もありますが、実際に食べ物として野菜を摂り、自分の消化器官を使って消化・吸収することが大切です。使わなければ機能が衰えるのと同じように、体も食物繊維をしっかり摂ることで健康を維持できます。
そのため、野菜ジュースや青汁に頼りすぎず、できるだけ生野菜や加熱した野菜をしっかり食事から摂るよう心がけましょう。
淡色野菜だけではなく緑黄色野菜も
野菜を食べるときに、価格が安いモヤシや食べやすいレタスなど、淡色野菜ばかりになってしまう方も多いでしょう。淡色野菜はビタミンやミネラルが比較的少ないため、栄養バランスを考えると物足りない場合があります。
一方で、色の濃い緑黄色野菜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、積極的に取り入れることが大切です。
例えば、以下のような緑黄色野菜があります。
- アスパラガス
- さやえんどう
- オクラ
- かぼちゃ
- こまつな
- しゅんぎく
- 青梗菜
- トマト
- ニラ
- にんじん
- ねぎ
- ブロッコリー
- ピーマン
- ほうれん草
- モロヘイヤ
- サラダ菜
1日の野菜摂取目標量350gのうち、約120gは緑黄色野菜から摂ることが推奨されています。



これらの緑黄色野菜が摂れているかも意識して取り入れていきましょう。
野菜不足に関するよくある質問(Q&A)


- Q1. 野菜不足だとどんな健康リスクがありますか?
-
免疫力の低下、便秘、肌荒れ、生活習慣病のリスク増加などが挙げられます。ビタミンや食物繊維不足が主な原因です。
- どのくらいの野菜を食べればいいですか?
-
1日あたり350gの野菜摂取が厚生労働省の目標です。そのうち120gは緑黄色野菜を摂ることが推奨されています。
- 果物で野菜の代わりはできますか?
-
果物にもビタミンや食物繊維が含まれていますが、野菜に比べて糖分が多いため、野菜の代わりとして完全に置き換えるのはおすすめできません。バランスよく両方を摂ることが大切です。
- 野菜ジュースで野菜不足は補えますか?
-
ビタミンなどの栄養は摂れますが、食物繊維は減っていることが多いです。野菜そのものを食べることを基本にしましょう。
- サプリメントで野菜不足を補うのは効果的ですか?
-
サプリメントは不足しがちな栄養素を補う助けにはなりますが、食物繊維やその他の栄養バランスを補うことは難しいため、基本は食事から摂ることが大切です。
- 調理が面倒で野菜がなかなか摂れません。どうしたらいいですか?
-
カット野菜や冷凍野菜、ミールキット、宅配弁当などを活用すると、手軽に野菜を摂ることができます。
- どんな野菜を優先的に食べるべきですか?
-
緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど)を積極的に摂ると、ビタミンやミネラルを効率よく補えます。
まとめ:野菜不足は野菜からしか解消できない


この記事では、野菜不足を感じたときに何を食べればよいかについて解説しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 野菜不足は、便秘・肌荒れ、免疫力低下、生活習慣病のリスクなどが起こる
- 厚生労働省「健康日本21」で1日の目標は350g以上
- 日本人の約77%が野菜摂取量が不足している
- 野菜不足は野菜そのものでしか補えない
- カット・冷凍野菜、ミールキット、宅配弁当などの活用も効果的
野菜はすべての世代にとって欠かせない食材です。野菜が足りていないと、つい他の食品で補おうとしてしまいますが、必要な栄養は野菜からしか十分に摂れません。
しかし、カット野菜や冷凍野菜、ミールキットなど、便利な商品を上手に使えば、思っている以上に簡単に野菜を摂ることができます。



興味がある方は、一回ミールキットを試してみてください♪



