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【管理栄養士が解説】基礎代謝とは?1日量の計算方法と年代別の平均

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  • 基礎代謝って何?
  • 自分の数値を知りたい
  • 基礎代謝を上げる方法を教えて

こんな疑問をお持ちではありませんか?

基礎代謝とは、私たちが生きていくために必要な最低限のエネルギーのことです。

この基礎代謝量、簡単な計算で自分の数値を出すことができます。自分の基礎代謝量を理解していると、健康的な食生活や体調管理につながります。

そこでこの記事では、管理栄養士の視点から、基礎代謝の基本から計算方法、日常生活で代謝を上げるポイントまで、分かりやすく解説します。

この記事を書いた人

管理栄養士 こま

  • 30代の管理栄養士
  • 急性期病院3年・給食委託会社8年
  • 2つの病院とクリニックで栄養指導経験
  • 1日平均4万食提供の委託給食の献立作成を担当
  • 関西・関東の病院を中心とした給食提供実績

この記事を読めば、自分に必要な最低限のエネルギー量が分かり、無理なダイエットを避けやすくなります。

健康的にダイエットしたい方、代謝を味方につけたい方は、最後まで見てください。

目次

基礎代謝とは、生命維持に必要な最小限のエネルギー

基礎代謝とは、人が生きていくうえで欠かせない、最小限のエネルギーのことです。

私たちは横になって寝ている間でも、体温の維持、呼吸、心臓の鼓動、脳の活動など、無意識のうちにエネルギーを消費しています。

このような生命活動に使われるエネルギーを「基礎代謝」と呼びます。

1日に消費する総エネルギーのうち、およそ60〜70%は基礎代謝によるものとされています。つまり、私たちが何もしていなくても、体は常に多くのエネルギーを使っているのです。

基礎代謝量は、年齢、性別、体格、筋肉量などの個人差によって異なります。一般的に、筋肉量が多い人ほど基礎代謝量も高くなります

そのため、同じような生活をしていても、基礎代謝量が多い人の方が1日の消費エネルギーが多く、太りにくく痩せやすい体質になりやすいと言えます。

1日分の基礎代謝量の求め方

基礎代謝量を求める方法には、主に以下の2つがあります。

  • 直接測定する方法
  • 基礎代謝量基準値を使って推定する方法

直接測定は、専門の医療機関や研究施設などに行かないと測定できません。

ここでは、日本人の食事摂取基準(2025年版)を参考に、体重と基準値から基礎代謝量を推定する方法をご紹介します。

基礎代謝量を求める式は▼以下の通り。

基礎代謝量(kcal)体重(kg) × 体重1kgあたりの基礎代謝量基準値(kcal/kg)

体重1kg当たりの基礎代謝量基準値(kcal/kg)は、年齢や性別によってことなります。以下の表から、自分に該当する数値を確認してください。

体重1kg当たりの基礎代謝量基準値(kcal/kg)男性女性
1~2歳61.059.7
3~5歳54.852.2
6~7歳44.341.9
8~9歳40.838.3
10~11歳37.434.8
12~14歳31.029.6
15~17歳27.025.3
18~29歳23.722.1
30~49歳22.521.9
50~64歳21.820.7
65~74歳21.620.7
75歳以上21.520.7
引用:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省

例:30歳・体重50kgの女性の場合

50(kg) × 21.9(kcal/kg)= 1095 kcal

この女性の1日の基礎代謝量は約1095kcalと推定されます。

この基礎代謝量に「身体活動レベル係数」などを掛け合わせることで、1日に必要な総エネルギー量(摂取カロリーの目安)を求めることができます。

管理栄養士 こま

例えばダイエットをする際には、基礎代謝に必要なエネルギー量は、「必ず確保しておくべき量」ということになります。

年代別・男女別の基礎代謝量の平均一覧

自分の基礎代謝量を計算したあと、「平均と比べて高いのか、低いのか気になる」という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、年代別・男女別の基礎代謝量の平均値をご紹介します。自分の基礎代謝量と比較して、目安として参考にしてみてください。

基礎代謝平均男性(kcal)女性(kcal)
1~2歳700660
3~5歳900840
6~7歳980920
8~9歳11401050
10~11歳13301260
12~14歳15201410
15~17歳16101310
18~29歳14901130
30~49歳15701170
50~64歳15101120
65~74歳13901090
75歳以上13101020

※この数値は、各年代の平均体重をもとに算出された基礎代謝量です。

実際の基礎代謝量は、筋肉量・体格・体組成などによって大きく異なるため、あくまで目安として参考にしてください。

一般的に「基礎代謝が高いと太りにくい」と言われますが、推定式で算出された数値が高ければ良いというものではありません。この計算方法では、体重が重いほど基礎代謝量が高く算出されるため、筋肉量が少なくても体脂肪が多い場合などは、実際よりも基礎代謝が高く見えてしまうことがあります

基礎代謝量を評価するときは、筋肉や体脂肪のバランス(体組成)も考慮して判断する必要があります。

基礎代謝量を上げるには?日常生活でできる5つの工夫

基礎代謝を上げることで、効率よくエネルギーを消費しやすい体を作ることができます。毎日の生活の中で、以下の5つのポイントを意識してみましょう。

筋肉量を増やす

基礎代謝を上げるには、筋肉量を増やすことが非常に効果的です。筋肉はエネルギーを多く消費するため、筋肉が増えると自然と基礎代謝もアップします。

ウォーキングや筋トレなどの運動を定期的に取り入れて、筋肉量の増加を目指しましょう。

たんぱく質をしっかり摂る

基礎代謝を支える筋肉を維持・増やすためには、たんぱく質をしっかり摂ることが重要です。たんぱく質は筋肉の材料となる栄養素で、不足すると筋肉量が落ち、基礎代謝も低下しやすくなります。

肉や魚、卵、大豆製品、乳製品など、さまざまな食品からバランスよく摂ることがポイントです。特に運動後や朝食時に意識して取り入れると、筋肉づくりと代謝の維持に役立ちます。

栄養の偏りがないよう、バランスのとれた食事を心がけましょう。

たんぱく質の必要量と摂り方

朝食をしっかりとる

基礎代謝を高めるためには、朝食をしっかりとることがとても重要です。

朝ごはんを抜くと、体がエネルギー不足を感じて筋肉を分解し、エネルギーを補おうとします。その結果、筋肉量が減り、基礎代謝量が低下してしまいます。

また、朝食を摂ることで「食事誘発性熱産生」が増加します。これは、食べたものを消化・吸収する際に体が使うエネルギーのことです。

このエネルギー消費は、夜よりも午前中の方が高くなる傾向があります。そのため、朝ごはんをきちんと食べることで、基礎代謝量を上げやすくなります。

詳しくはこちら【朝ご飯の効果

体を冷やさない

基礎代謝を維持・向上させるためには、体を冷やさないことも大切です。体が冷えると、内臓の働きや血流が悪くなり、代謝が低下しやすくなります。

特に女性は冷えやすい体質の方も多いため、季節を問わず冷たい飲み物を控えたり、湯船に浸かる習慣を持つなど、体を内側から温める工夫が必要です。

また、お腹まわりや首元など、冷えやすい部分を温めるだけでも効果的です。日常生活のちょっとした意識で、体の巡りを良くし、基礎代謝の低下を防ぐことができます。

良質な睡眠をとる

基礎代謝を保つうえで、良質な睡眠も欠かせません。睡眠中には「成長ホルモン」が分泌され、筋肉の修復や代謝の調整が行われています。

睡眠の質が悪いと、ホルモンバランスが乱れ、筋肉の回復が不十分になったり、体のリズムが崩れて代謝が低下しやすくなります。

できるだけ毎日同じ時間に寝起きし、スマホや明るい照明を控えて、リラックスした状態で眠ることを意識しましょう。深くしっかり眠ることが、体の内側から代謝を支えるポイントになります。

まとめ:基礎代謝を理解して、健康づくりを始めよう

この記事では、基礎代謝の基本から計算方法について解説しました。

要点をまとめると以下の通り。

  • 基礎代謝とは、生命維持に必要な最小限のエネルギー
  • 筋肉量が多い人ほど基礎代謝量も高くなる
  • 基礎代謝量が多い人の方が太りにくく痩せやすい
  • 基礎代謝量=体重 × 体重1kgあたりの基礎代謝量基準値

基礎代謝量は体にとって欠かせないエネルギーなので、毎日しっかりと確保することが大切です。

自分の基礎代謝量を知ることで、ダイエットや健康管理に役立てることができるため、ぜひ一度計算してみてください。

また、基礎代謝を高めることは、痩せやすく健康的な体づくりにつながるため、運動などで筋肉量を増やしていきましょう。

管理栄養士 こま

一緒に運動量を増やしていきましょう!

参考文献(2025年7月17日参照)

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この記事を書いた人

✔ 急性期病院 3年勤務
✔ 給食委託会社 8年勤務

巷で広がる食に関する情報を、管理栄養士の視点から解説します。

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